1. はじめに|「Pythonの弱点」を知ることは意味がある?
Python(パイソン)は、シンプルで読みやすい文法と豊富なライブラリが魅力の、今もっとも人気のあるプログラミング言語のひとつです。機械学習やデータ分析、Web開発、自動化スクリプトなど、いろんな場面で活躍しています。しかも、初心者にもやさしいので「これからプログラミングを始めたい!」という人にもおすすめされることが多いですね。
でも、そんなPythonにも「弱点」や「苦手なこと」があるって知っていましたか?
どんな道具にも得意・不得意があるように、プログラミング言語にも向き・不向きがあります。Pythonの短所を知らずに「とりあえずこれで全部やってみよう!」とすると、あとで思わぬところでつまずいてしまうことも…。
この記事では、Pythonの代表的な弱点や注意点をやさしく解説していきます。
「えっ、Pythonってそんなに万能じゃないの?」
「どんなときに使わないほうがいいの?」
そんな疑問に答えつつ、Pythonを正しく、もっと賢く使うためのヒントをお届けします!
👉 実は、弱点を知ることで「なるほど、だからこの場面ではPythonが便利なんだ!」とPythonの良さも深く理解できるようになりますよ。
それでは、一緒に見ていきましょう!
2. Pythonの代表的な弱点5選
Pythonはとても便利な言語ですが、すべての場面に万能なわけではありません。ここでは、Pythonを使うときに気をつけておきたい「代表的な弱点」を5つ紹介します。
2-1. 動的型付けだから、バグが起きやすい
Pythonは「動的型付け」といって、変数の型(たとえば整数とか文字列とか)をプログラムを動かすまで決めなくてもいい特徴があります。
これはすごく書きやすい反面、思ってたのと違うデータが入ってしまって、バグの原因になることも多いです。
たとえば…
def add(x, y):
return x + y
print(add(10, 20)) # → 30(OK)
print(add("10", "20")) # → 1020(アレ?文字列になってる?)
このように、間違った型が入ってもPythonはエラーを出さずに動いてしまいます。
型のヒント(intやstrなど)をつけることはできますが、Pythonではそれがただの目印でしかないため、強制されません。
def add(x: int, y: int) -> int:
return x + y
↑こんなふうに書いても、実は文字列を渡しても普通に動いてしまうんです。
型を気にせずサクサク書ける反面、ミスに気づきにくいというのがPythonの大きな弱点のひとつです。
2-2. 処理速度が遅い
Pythonは「インタプリタ型」といって、1行ずつコードを読みながら実行するタイプの言語です。これに対して、CやC++などはあらかじめすべてをコンピューターが読める形に「コンパイル」してから実行するため、処理がとても速いです。
そのため、Pythonは数値計算やリアルタイム処理では遅くて使いにくいことがあります。
たとえば:
- 格闘ゲームやFPSゲームのエンジン
- Zoomのようなリアルタイム通話アプリ
- 高頻度トレーディングのようなミリ秒を争う取引
こういう場面では、Pythonだとパフォーマンス不足になることが多いです。
ただし、NumPyなどの高速ライブラリは中身がC言語で書かれているので、ある程度カバーできる部分もあります。
2-3. 並列処理に弱い(本当のマルチスレッドが苦手)
Pythonにはthreadingモジュールというマルチスレッド機能がありますが、実はPythonのGIL(Global Interpreter Lock)という仕組みのせいで、複数のスレッドが同時にCPUを使うことができません。
つまり、「同時に計算する」ような本物の並列処理には向いていないんです。
Pythonの並列処理には2つの方法があります:
threading:同時に動いているように見えるけど、CPU的には1つずつ動いているだけ(I/O処理には向いている)multiprocessing:プロセスを分けて実際に並列処理できるけど、メモリ消費が多く、コードもやや複雑
たとえば大量の画像を一気に処理したいときや、ビッグデータを分割して分析したいときには、PythonよりもGo言語やRustなどのほうが効率よく並列処理できます。
2-4. モバイルアプリの開発には不向き
Pythonは、スマホアプリの開発にはあまり向いていません。
というのも、Python自体がもともとWebやデータ処理、スクリプト向けに設計された言語で、スマートフォンで動かすことを前提に作られていないからです。
実際に不便な点は…
- AndroidやiOSの「ネイティブ機能」(カメラやGPSなど)にアクセスしにくい
- モバイルUIがきれいに作りにくい
- Pythonで作っても、アプリストアに出すまでの手間が大きい
たしかに、Pythonにも「Kivy」や「BeeWare」といったモバイルアプリ開発用のフレームワークはあります。でも、Kotlin(Android)やSwift(iOS)などの専用言語と比べると、自由度も安定性もかなり劣ります。
スマホアプリを本気で作りたい場合は、Pythonよりもネイティブ言語やFlutter(Dart)など他の選択肢のほうが圧倒的に有利です。
2-5. 手続き型コードになりがちで、大規模開発に不向きなことも
Pythonは「マルチパラダイム言語」といって、オブジェクト指向・手続き型・関数型などいろんな書き方ができる言語です。
でも、実際の現場では多くの人が手続き型(上から順に命令を書くスタイル)でコードを書きがちです。
手続き型の例(悪くはないけど…)
price = 100
tax = price * 0.1
total = price + tax
print(total)
こういう書き方はシンプルでわかりやすいですが、大規模なプログラムになると整理がつかなくなって管理が大変になります。
一方、オブジェクト指向や関数型スタイルでは、処理を「部品化」して再利用したり、変更に強い設計ができたりします。
Pythonはそういった高度な書き方ももちろん可能ですが、「なんとなく簡単だから手続き型で書いてしまう」人が多いのも事実です。
この「自由すぎるがゆえに、きれいなコードが書かれにくい」という点は、Pythonの隠れた弱点ともいえるでしょう。

以上が、Pythonの代表的な弱点5つです。
3. Pythonを使うべきでないシーンとは?
ここまでで、Pythonには「動的型付け」「処理速度」「並列処理の難しさ」「モバイル開発の不向き」「手続き型コードの傾向」など、いくつかの弱点があることを見てきました。
では、具体的にどんな場面でPythonを使うと「つらくなる」かを紹介していきます。
❌ リアルタイム性が求められるアプリやゲーム
たとえば:
- 対戦型の格闘ゲーム
- 音ズレが命取りになる音楽アプリ
- Zoomのようなビデオ通話アプリ
こういったアプリは「一瞬の遅延」でもユーザーにとってストレスになります。Pythonは処理速度が速いとは言えないため、遅延が命取りになるようなリアルタイムアプリには不向きです。
❌ 高速な並列処理が必要な場面
- 大量の画像や動画を一気に処理したい
- AIの学習データを複数のCPUで同時処理したい
- 高速な並列計算でシミュレーションを回したい
こうした場面では、Pythonのthreadingは力不足ですし、multiprocessingもやや複雑でメモリの消費が激しくなりがちです。
Go言語やRust、C++などの並列処理に強い言語を使う方が効率的です。
❌ 本格的なスマホアプリを作りたいとき
Pythonでもモバイルアプリを作ることはできますが、どうしても制限が多くなってしまいます。
- デザインが思うように作れない
- スマホ独自の機能(カメラ、通知など)にアクセスしにくい
- アプリストアに公開するまでの作業が大変
もしスマホで動く、きれいな・高機能なアプリを目指すなら、Kotlin(Android)やSwift(iOS)、もしくはFlutter(Dart)などの言語を選んだほうがスムーズです。
❌ 大規模開発やチーム開発で、設計や保守性が最優先されるとき
Pythonは自由度が高いため、チーム内でコードの書き方がバラバラになることもあります。特に手続き型で書かれたコードが多くなると、メンテナンスが難しくなりがちです。
JavaやC#などのオブジェクト指向を前提にした言語の方が、大きな開発には向いていることが多いです。

このように、Pythonはとても使いやすくて便利な言語ですが、すべてに万能というわけではありません。
向いている用途・向いていない用途を知ることで、もっと賢く使いこなせるようになりますよ!
4. とはいえPythonにはこんな強みも!
ここまで読んで、「えっ…Pythonって弱点多いの?」と思った方もいるかもしれません。でも安心してください。Pythonは今でも世界中で使われている超人気言語ですし、ちゃんとした“強み”もたくさんあります!
弱点を知っておくのは大切ですが、それ以上に、どんな場面でPythonが“活きる”のかを理解しておくことが大事です。ここではPythonの代表的な強みをご紹介します。
✅ シンプルな文法でとっつきやすい
Pythonはコードがとても読みやすく、初心者でも直感的に理解しやすいという大きな魅力があります。
たとえば、Pythonの「Hello, World!」はこれだけ:
print("Hello, World!")
これがC言語やJavaになると、関数やセミコロンが必要でちょっと複雑になります。Pythonは“書きたいことをそのまま書ける”感覚があるので、最初の一歩を踏み出すにはぴったりです。
✅ 豊富なライブラリで、やりたいことがすぐできる
Pythonは世界中の開発者たちによって、膨大なライブラリ(部品)が作られています。
たとえば:
- データ分析:Pandas、NumPy
- 機械学習:scikit-learn、TensorFlow、PyTorch
- Webアプリ:Flask、Django
- 自動化:Selenium、BeautifulSoup、OpenPyXL
など、目的に合わせた道具がすでに用意されているので、「ゼロから全部作る」必要がありません。
✅ AIやデータサイエンス分野で圧倒的な人気
近年のAIブームで、Pythonは機械学習や深層学習(ディープラーニング)に欠かせない言語として定着しています。
Googleの「TensorFlow」やFacebookの「PyTorch」など、有名なAIライブラリはほとんどPythonで使われています。
また、Jupyter Notebookのようなツールを使えば、データの可視化や実験もとても簡単にできます。研究者やデータサイエンティストに愛される理由も納得です。
✅ 小さなスクリプトでもサクッと動かせる
Pythonは、ちょっとした計算やファイル処理なども、短くてシンプルなコードですぐ動かせるのが魅力です。
たとえば:
- フォルダ内の画像を一括リサイズ
- 表のデータを自動でExcelにまとめる
- 毎朝の天気予報をWebから取得して通知
こんなちょっとした作業も、Pythonなら10〜20行程度のスクリプトで自動化できます。

つまり、Pythonには弱点もありますが、正しい場面で使えばとても強力なツールになります!
5. まとめ|弱点を理解すれば、Pythonをもっと活用できる
Pythonは「初心者にやさしい言語」として人気ですが、その裏にはいくつかの注意点や苦手な分野があることもわかりましたね。
✔ Pythonの主な弱点まとめ
- 動的型付けなので、型ミスによるバグが発生しやすい
- インタプリタ型なので、処理速度が遅め
- 並列処理には不向き(特にマルチスレッド)
- スマホアプリ開発にはあまり向いていない
- 自由すぎるがゆえに、手続き型コードが多くなりがち
でも、これらはあくまで「どんな道具も得意・不得意がある」という話に過ぎません。Pythonは、
- 誰でも理解しやすいシンプルな文法
- 豊富なライブラリで幅広い用途に対応
- AIやデータ分析の分野ではトップクラスの実力
など、ほかの言語にはない強みをたくさん持っています。
🔍 適材適所で使えば最強のツールに!
Pythonの苦手な分野に無理やり使うのではなく、「この場面にはPythonが向いてる」「ここは他の言語の方がよさそう」といった判断ができれば、より効率的に・楽しく開発ができるようになります。
苦手なところを知っているからこそ、強みが活きてくる——
それがPythonをうまく使いこなす最大のコツです!
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よくある質問(Q&A)
- QPythonは結局、初心者向けだけの言語なんですか?
- A
いいえ、初心者にもやさしいのは事実ですが、AI開発やデータ分析、Webアプリ開発などプロの現場でも幅広く使われている言語です。使い方によっては非常に強力なツールになります。
- Q処理速度が遅いって聞いたけど、それでも実用レベル?
- A
たしかにC言語などと比べると遅めですが、NumPyやPandasのような高速ライブラリを使えば、多くのケースで十分なパフォーマンスが出ます。重たい処理だけC言語で書いてPythonから呼び出す、というハイブリッドな方法もあります。
- QモバイルアプリをPythonで作りたいんだけど、やめた方がいい?
- A
簡単なツールや個人利用ならPython(Kivyなど)でもOKですが、商用アプリや複雑なUIを作りたい場合はKotlinやSwift、Flutterの方が向いています。 Pythonは基本的にモバイル向きではありません。







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